とあるnon-binaryトランスジェンダーの生存戦略

non-binaryトランスジェンダーの情報や体験を発信していきます。古い日本企業の文化に適応できず、海外移住しました。

Stay homeからReturn to workへ

今住んでいる地域では徐々に活動再開ムードということもあり、私の職場では来月から順次、在宅勤務解消の計画がある。

 

今の私は、朝起きて味噌汁を作って朝ごはんを食べて、平日は一応在宅勤務として(スローペースで)働きながら、体調が悪ければいつでも横になって、気が向けば散歩をし、日が沈むか沈まないかというくらい早い時間に眠る生活をしている。

多分もともとの性格が内向的なので、stay homeで推奨されている静かな生活と相性が良いのかもしれない。

駐在員としての雇用が保証されているから仕事の心配もお金の心配もなく、毎日ベランダにやってくる鳥や森のリスを愛でるだけの生活をしている。

人と関わらない以上、自分の見た目や性別でトラブルが発生することもない。

 

こんなに楽でゆったりしたストレスフリーの生活は、今までの人生でもそうはなかった。

これでいいのか?

(駐在員としてはもっと自分を律して仕事も詰め込んでキビキビ働くべきでは?)

と思わないこともないが、時流というものもある。

これで、いいのだ〜

と思うことにしている。

 

ただ、もうすぐ在宅勤務が明けた際に、果たして元の生活に戻れるだろうか・・・?

出社したらまた、使うトイレといった日常的なことでストレスを感じることになるかもしれない。

その時に備えて、今はとにかくストレスを溜めず、心と体を充電しておこうと思う。

二か月を超える在宅勤務で人と会わない生活が続いているせいか、最近は「人と集まる」夢を見る。

小学校の同級生、高校の部活の仲間、前職での同僚・・・。

いずれも私の好きな、会いたいと思っている人たち。

今の状況で、私の脳が作り出している幻想だ。

 

でも、いずれの夢でも、私は性別でつまづいている。

結婚のことを聞かれたり、名字は変わってないのかと聞かれたり、また、自分が入れるトイレが見つからなくて探し続けたり。

 

目が覚めると、いつも汗をかいていて、濡れたパジャマで体が冷えている。

 

いつか、せめて夢の中でだけでも性別につまずかず、人と会うことを楽しめるようになりたい。

確定申告

今年、初めて海外から日本の確定申告をした。

 

まず、申告に必要な領収書が日本からアメリカの自宅に届かなくて大変だった。

二回送ってもらったものの、一向に到着せず。

この時点で、例年の確定申告締切である3/15にはもう間に合わなかった。

新型コロナウィルスの影響で締切が一ヶ月延びてくれて助かった。

領収書発行元に、PDFでメール添付してくれと頼んだところ、紙の領収書をスキャンしたようなPDFが送られてきた。こんなんで大丈夫なのかと思いながらも必要な書類を揃え、印刷し、日本の税務署へ郵送した。

アメリカの郵便事情がまったく信用できなくなっていたので、追跡番号付きのFedExで(料金を確認せずに)送ったところ、$93もかかって泣きそうだった。

あまりのショックで、追跡番号で追跡してみることもせずに「もう忘れよう」とふて寝していたが、5月中旬になって、日本の銀行口座に還付金が無事振り込まれた。

良かった。

 

本当は郵送じゃなくて電子申請したいところだけど、電子証明書の取得のために税務署へ出向く必要があるので、赴任前の忙しい私には無理な相談だった。

もしもトランスジェンダーが車椅子と同じくらい認知されていたら

もしもトランスジェンダーが車椅子と同じくらい認知されていたら。

 

初対面で顔を合わせた時に、相手から

  • 驚いた顔でジロジロ見つめたり、
  • 「男性ですか?」と聞いたり、
  • 渡した名刺と顔を見比べて変な顔をしたり、
  • (え、どういうこと?)と顔で雄弁に語りながら無言になったり、
  • 「すみません、女性だとは思わなかったので」と勝手に性別を解釈して弁解したり、

されることはなかったかもしれないのにな、と思う。

 

仕事で初めて会う相手が車椅子ユーザーだったとして、

  • 驚いた顔でジロジロ見つめたり、
  • (え、どういうこと?)と顔で雄弁に語りながら無言になったり、
  • 「すみません、障害者だとは思わなかったので」と弁解したり、

しないだろうに。

COVID-19駐在員への影響

最初は冬に流行するインフルエンザみたいなもので、暖かくなる頃には収まるだろうと思っていた。その後気温の高い国でも流行が広がっている様子を見て、これは季節が変わっても収まらないのではないかと嫌な予感がした。

 

今はどこの会社でも同じだと思うけれど海外出張も国内出張もすべて禁止。自治体からの自宅待機命令も出て、会社からの在宅勤務命令もしばらく解除されそうにない。

治安の悪化や医療崩壊が起これば強制帰国も有り得るけど、幸いにして今はまだそこまでの状態ではない。

 

駐在員の仕事の一部である日本からの出張者の送迎や会食等もすべてなくなり、私にとっては気が楽ではある。今は法令に従っておとなしく生活し、体を休めて自分の健康を維持することが最優先だと思っている。

部屋のベランダからは平日の昼間でもアパートの敷地内をゆっくり散歩する人や日光浴をする人の姿が見え、国全体が休暇に入っているような、そんなのんびりした光景だ。

 

しかし、駐在員の住むアパートからは見えないことが確実に起こっている。

今、全米で多くの企業が操業停止命令を受け、レストランや商業施設も閉鎖。これにより、失業者の数が急増している。

forbesjapan.com

米国人の知人も、職を失って家にいるそうだ。

 

私のような日系大企業のアメリカ駐在員というのは、高水準の生活が保証され、解雇もされず、いまのところ給料も下がらない、特権階級と言って良いほど恵まれた立場にいる。

にもかかわらず駐在員の同僚が、日本やアメリカ政府が国民にお金を配るというニュースを聞いて

「我々はもらえないのか」

というような話ばかりしていて、聞いていて心底恥ずかしくなった。

今、貧しい人からどんどん死んでいる。こんな時、持てる者から何かをしなくてはいけないと思うのだけれど、どうして、社会や誰かのためにできることの代わりに、(明らかに恵まれている状況の自分たちが)政府や会社から手当をもらうことばかり考えているんだろう・・・。残念だし、改めて失望した。

www.bbc.com

 

アメリカでは残念ながら会社以外の人間関係を構築できる前に外出禁止の状態になってしまった。一方で駐在員の同僚とはなるべく距離を置きたい。

音のない水槽の中で、たったひとり、毎日生きているみたいな感覚だ。

COVID-19 生活への影響(アメリカ)

まるで、ずっと悪い夢でも見ているみたいだ。

 

 

2020年2月

2月までは、日本では新型コロナウイルスが大変みたいだ、アジアが大変という、どこかアメリカにはまだ関係ない気分でいた。これはアメリカ人のほとんどがそうだったと思う。

日本ではマスクが不足しているから、自分が何箱も持っていて申し訳ないとすら思っていた。

2月頭には大勢の集まる大規模な展示会にも行ったし、2月末にも飛行機に乗って出張にも行った。

 

2020年3月第一週(3/1〜)

3月になって、職場で咳をしている人が多くなり、雰囲気がおかしくなってきた。自分もいつ感染してもおかしくないと感じ始めた。

 

2020年3月第二週(3/9〜)

近隣の地区の学校が休校を決定した。

このため、私の職場でも子どものいる社員が自ら自宅勤務をせざるを得ない状況になってきた。

この週の終わり、3/13にトランプ大統領が国家非常事態宣言を発表した。

これが金曜日の午後のことで、勤務時間内ではあったけれど、職場の休憩室のテレビに集まっている人もいたし、自分も自分の席でこっそりイヤホンをつけてYouTubeで大統領の演説をリアルタイム視聴した。

駐在員はせめて家族だけでも日本に帰すことを検討したほうが良いという話も出た。

私は家族がいないので、最後まで残ることになるだろうと覚悟した。

この週から、自分が行っていた教会も日曜日の礼拝を中止。会社以外で人と話す機会がなくなった。

 

2020年3月第三週(3/16〜)

その翌週、3月の第三週(3/16〜)から職場では原則在宅勤務が命じられ、自分もすぐに応じた。

スーパーではハンドソープやトイレットペーパーが品切れで不安を感じた。

金曜日には自分の住む市から、市内レストラン閉鎖の宣言が出た。

3/21、日本の外務省が米国全土に対し、感染症危険情報をレベル2(不要不急の渡航は止めてください)に引き上げ。

 

2020年3月第四週(3/23〜)

3/25、日本の外務省が全世界に対し、危険情報をレベル2(不要不急の渡航は止めてください)に引き上げ。

自分がアメリカに引っ越してきてから三ヶ月も経つのに実はまだ机と椅子を買っていない。椅子無しでの在宅勤務が苦しくなってきた。たまに床に座り込んでしまう。IKEAにでも行って机を見てみようと思ったが、営業停止していた。再開の見込みは不明。

とうとう自分の住む郡からも "Stay at home order" と、non essential businessの操業停止命令が出る。

"Stay at home order"とは要するに不要不急の外出禁止。買い物、病院、薬局に行く等は可。ウォーキングやランニングも許可されている。

たまに買い物で車に乗ろうとすると自分が運転を忘れそうになっていることに驚くし、外を走っている車も少なくなって、自分以外誰も走っていないような気がして背筋が寒くなる。

操業停止命令は深刻かもしれない。米国での失業保険申請が300万件超というニュースもある。

医療が崩壊したり治安が悪くなったら、会社から駐在員引き上げ命令も十分に有りうる。

同僚から「鬱になりそう」という声がちらほら聞こえてくる。人と会わなくなるのが辛いという気持ちは分かる。

私自身、3月後半から誰とも会わない、話さない日が続いている。でも自分はもともと欝気味なので自分自身はCOVID-19の前後であまり変わっていないかもしれない。ただ、それまで自分一人で見ていた悪夢が世界中に広がってしまったように感じている。

駐在員どうしの飲み会がすべて中止になったことは自分にとってはむしろ有難かった。

コロナウイルスの世界マップ、たった一日か二日見なかっただけで米国がイタリアと中国を抜いて世界一位になった。3/27に、米国の感染者が10万人超え。

 

今日はクレジットカード会社から、支払いができない人のための支払い延期処理の案内を受け取った。

もちろん自分は払うし、払える人が払うことで少しでも社会を支えられると良いと期待したい。

また自分は欧米のチップの文化が苦手だったけれど、こんな時に社会を支えているスーパーマーケットや薬局の人や宅配員に対して喜んでチップを払いたいと思うようになった。

コロナウイルスで私が一番恐れていること

ここアメリカの自分の住む地域でも、COVID-19感染者が増えてきている。

gisanddata.maps.arcgis.com

 

私も出張で飛行機に乗ることが度々あるし、最近は職場でも咳をしている人が多く(しかもアメリカ人はマスクをしない)、感染とは無縁でないと感じる。

この影響で世界中でアジア人に対する差別や暴力が起こっているというニュースを聞くだけでも辛いし、自分が暴力に遭う可能性だってある。

 

だけど今回の状況で自分が感染した場合、一番恐れていることがある。

 

感染者として、自分の書類上の性別が公開されてしまうことだ。

アメリカでの報道のされ方はよく分からない。

だけど日本であれば、感染した人の性別は必ず報道されるようだ。

 

今回自分がそれをされて日本人の同僚に知られたら、もうこの職場で働けなくなる、少なくとも極めて働きにくくはなるだろう。

 

プライバシーよりも命や公衆衛生の方が大切だから、そうなったら覚悟を決めて病院には行くと思うのだけど、私の場合は仕事は諦めないといけなくなるのかな、という覚悟をうっすらしている。